♪ 闇に囚われてなお輝く光こそオベルの秘宝 ♪
トロイとフレアが海岸沿いを歩いていると、波音にまぎれて歌声が聴こえてきた。
「歌うこと位は許してあげてね?」
請うようなフレアの声に、前を歩いていたトロイは立ち止まった。
「彼らも不安なんでしょうね・・・・・・希望を持ちたいのよ」
「オベルの秘宝は彼らの希望ですか?」
「そうかもしれないわね。でも探しても無駄だと思うわ」
「・・・・・・なぜ?」
「だってオベルの秘宝なんて私は聞いたことがないもの」
王女も知らない秘宝なんてあるわけないでしょう?
と、あっさりと言うフレアの言葉に嘘は感じられなかった。
「案内は出来ないけれど、探してみますか?」
「探すまでもないな。オベルの秘宝は既に私の手の内にあるのだから」
強い風に煽られてトロイの漆黒のマントが翻り驚くフレアを飲み込んだ。
オベルの秘宝は海神に愛されたと吟遊詩人は歌う。