「夜分に失礼するわ」
「こんな夜更けに何か御用ですか、フレア王女?」
「少しお話があるのだけれどいいかしら?」
「その様子だとあまり楽しいお話ではないようですね」
「ええ、勿論よ」
「分かりました。申し訳ないが、外でお待ち頂けないだろうか?」
「あら?どうして??」
「軍服から部屋着に着替えたいので」
「私は気にしないので、どうぞ?」
―――不覚にも、一瞬言葉を失った。
・・・・・・支配下にあるとはいえ仮にも一国の王女が、
異性の着替えを気にしないとはいかがなものか?
眉間に皺を寄せて一睨みすると王女はきょとんした後、軽く肩を竦めた。
「意外に繊細なのね?」
分かったわ、と言い面倒くさそうにフレアは視線を外した。
・・・・・・視線を外しただけだった。
―――分かってない。全くもって分かってない。
そして、また一つ。ためいきは止む事を知らず。