「どうしてそんな事を言うの?」
フレアの声は可哀想なくらい震えていた。
その声に混じるのは驚きか、戸惑いか、それとも恐怖だろうか?
そんな事をぼんやりと考えながら、トロイは自嘲気味に笑った。
一刻前、トロイはフレアを困らせるだけの言葉を言った。
永遠に言うつもりなどなかった言葉を言ってしまった。
己の意思ではない。自然と毀れ落ちたようなものだ。
容量を超えた器から水が溢れるのと同じ現象だと思う。
胸に押し込めたはずの想いはいつしか大きくなり過ぎて、
己の立場だとか、彼女への配慮だとか、
そんな常識じみたものを全て壊して・・・・・・溢れ出た。
『貴女を愛している』
―――無意識の内に毀れ落ちた言葉と、涙。
この想いは毀れ落ちるだけで誰も掬えない。